■異文化間教育学会第32回大会 ご挨拶

 このたびは東日本大震災で被害を受けられた地域の皆様、関係者の皆様、心よりお見舞い申し上げます。震災後1カ月以上経過した今、復興の兆しがやや見えてはきたものの、甚大な被害状況、未曾有の犠牲者と行方不明の方々、原子力発電所事故による放射能汚染、風評被害など、混乱した状況が続いております。第32回大会を開催するに当たり、この状況をどのように捉え考えていけばよいか、私たち大会校はこのまま大会をお引き受けしてよいかどうか、悩み苦しみました。しかしながら、このような状況におかれましても、東北地方にゆかりのある参加予定者の皆様が、学会大会抄録集原稿を締め切りに間に合わせ、提出してくださっている状況に鑑み、こういう時だからこそ、大会開催に意義があるのではないか、学会が社会や人々に発信すべきメッセージがあるのではないかと思い、第32回大会を実施する方向で準備してまいりました。

 ただ、昨今、東日本から東京近郊にかけて依然として余震が続いておりますので、この先、どのような事態になるか予想をはるかに超えております。こうした状況下で大会プログラムの変更を余儀なくされることもあるかと存じます。また、夏期に向けて電力供給不足による節電なども考えられますので、参加者の皆様には、交通機関、空調、電気使用等において、ご不便をおかけいたすことになるかと存じますが、このような事態をご理解いただき、何卒、お許しくださいますようお願い申し上げます。

 さて、本大会では、多文化共生社会におけるマイノリティの問題解決にむけて、異文化間教育の研究者、実践者としてどのように関わっていくか、多様な側面からその課題を理論と実践を通して考えていきたいと思っております。大会プログラムについては、6月10日(金)には、鈴木淳子先生(慶応義塾大学)によるプレセミナー、11日(土)には特定課題研究「異文化間教育におけるエクイティ−高等学校教育における公正さの構築」を行い、さらに学会員の方々の口頭発表やポスター発表、懇親会など充実した内容が盛り込まれています。6月12日(日)には、大会企画公開シンポジウムとして「偏見の形成メカニズムと低減のための教育―誰一人切り捨てられない社会の構築に向けて―」を行います。次いで大会主催のランチトーク「東日本大震災の緊急現状報告」、箕浦康子名誉会員講演会、学会員の方々の口頭発表やポスター発表、ケースパネルを行います。このように、本大会では、昨今の異文化間教育の重要なトピックを扱いますので、多くの皆様がご参加くださいましたら幸いに存じます。大会では震災の募金活動を同時に行う予定です。このことも併せてよろしくご協力のほどお願い申し上げます。末筆ながら、本大会の開催にあたり、多くのご支援とご協力を賜りました諸機関の皆様に厚く感謝の意を表したいと存じます。

2011年4月18日
異文化間教育学会第32回大会準備委員長
加賀美 常美代



■ご 挨 拶

 会員の皆様には、ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。

 異文化間教育学会第32回大会は、2011(平成23)年6月11 日(土)・12日(日)の両日、お茶の水女子大学(東京都文京区)で開催されることになっております。

 お茶の水女子大学は、135 年の歴史と伝統をもつ女子大学で、現在、学生数が3000人程度の小規模大学です。そのうち800人強が大学院生であり、専門領域の追究への関心も高く、これまで、多くの女性リーダー人材を社会に輩出してきました。

 第32回大会開催に当たっては、限られた人員の中で学会運営等を行うため、参加者の皆様にはいろいろとご不便やご迷惑をおかけすることもあるかもしれませんが、何卒、会員の皆様にふるってご参加いただきたく存じます。グローバル社会における異文化間教育を共通のテーマとして、多様な学術交流を深めたいと思っております。

 多くの皆様のご参加、心よりお待ち申し上げております。

2011年1月
第32回大会準備委員長 加賀美常美代

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