ご挨拶

第38回大会に向けてのご挨拶

末松和子(東北大学)

2017年の異文化間教育学会年次大会は、杜の都、仙台に5つのキャンパスを構える東北大学で開催させていただくことになりました。

東北大学は、日本で三番目の帝国大学として1907年に創立しました。「研究第一主義」「門戸開放」「実学主義」の理念に基づき、早くから、独創的な研究成果を社会に発信しつつも、学生に対する教育への還元、社会や人々の日常生活に役立てる伝統も育んできました。他大学に先駆けて、専門学校、高等師範学校の卒業生にも広く門戸を開き、時の政府の圧力に屈することなく、日本の大学として初めて女子学生を受入れたことでも知られています。また、海外からの留学生に博士号を授与した第一号の大学でもあり、魯迅が医学生として学んだ階段教室は今でも大切に保存されています。現在では世界各国から3000人近くの留学生を受け入れ、国際色豊かなキャンパスが建学の理念を具現化しています。

2009年には、国際化拠点整備事業(大学の国際化のためのネットワーク形成推進事業、通称グローバル30)、2012年には経済社会の発展を牽引するグローバル人材育成推進事業)、2014年にはスーパーグローバル大学創成支援事業に全て全学型で採択され、英語のみで学位が取得できる学部、大学院プログラムを新・増設しました。これらの大学の国際化施策で拡充を図ったのが、次期大会での主テーマ、「留学生と日本人学生が共に学ぶ国際共修」です。国際共修の意義、教育・学習効果、カリキュラムのみならず、授業設計や教授法について、国内外の事例に学びながら皆様と議論を深めてゆきたいと思っています。

その他にも、プレセミナーでは、多文化、グローバル化に対応できる学校教員の育成について考える特別企画を用意して皆様の参加をお待ちしております。

折角の機会ですので、新鮮な魚介類や名物の牛タン、地元の銘酒や温泉をお楽しみいただき、復興・再生に一丸となり取り組む地域社会にエールをお願いできれば幸いです。

異文化間教育学会
第38回大会準備委員会
委員長 末松和子