異文化間教育学会第46回大会報告

大会準備委員長 額賀 美紗子(東京大学)

2025年6月21日(土)・22日(日)の両日、東京大学本郷キャンパスにて、異文化間教育学会第46回大会を開催いたしました。事前申込者381名、当日申込者106名の、合計487名(正会員269名、学生会員55名、通信会員2名、名誉会員5名、非会員63名、非会員学生58名、シンポジウム一般参加者35名)の皆様にご参加いただき、大変多くの方々にご来場いただけたことを、心より嬉しく思います。

会期の2日間を通じて、個人発表73件、共同発表15件、ケース/パネル発表5件、ポスター発表40件の、計133件の発表が行われました。このうち12件は英語による発表(個人9件、共同2件、ポスター1件)であり、海外の会員からの参加申込も複数寄せられました。また、学会事務局主催のプレセミナー「違いを生きる、語る、表現する:アートベース・リサーチによる異文化理解と共生の実践」、研究委員会による特定課題研究「発達的視点から異文化間で育つ子どもの経験を考える」、大会準備委員会による公開シンポジウム「グローバル・シティズンシップを問う―異文化間教育学は民主主義にどのように貢献できるか―」が開催され、参加者の皆様から多くの反響を頂きました。さらに、大会1日目の夜には情報交換会を実施して100名を超える方にご参加いただいたほか、ネットワーキング委員会主催の「ふらっと交流サロン」「ふらっと夜の懇親会」も行われ、所属を越えて新たなつながりが生まれ、交流を深める温かなひとときとなりました。

前大会よりほぼ1年をかけて準備して参りましたが、最も苦心したのは大会会場・教室の確保およびそれと連動したプログラムの編成です。発表申込みが非常に多く、教育学部棟だけでは収容しきれなかったため、最終的には4つの建物に分散して会場を設定することとなりました。すべての発表を組み込むため、個人・共同・ケース/パネルの実施時間帯を調整したほか、ポスター発表の開始時刻を早めるなど、細かな工夫を重ねて対応いたしました。結果として、最大で12会場の同時進行となり、発表間の移動や休憩が限られるスケジュールとなりました。そのため、ご希望の発表にご参加いただけなかった方もいらしたかもしれません。また、会場の手狭さや機器の不備などによりご不便をおかけした点、心よりお詫び申し上げますとともに、柔軟にご対応くださった皆様に深く感謝申し上げます。

本大会では、参加者の皆様にとって少しでも快適な時間となるよう、カフェコーナーの飲み物と茶菓子の提供を充実させ、コーヒーのケータリングも行いました。また、情報交換会ではさまざまなフィンガーフードをご用意し、交流の場としての雰囲気づくりにも力を注ぎました。さらに、大会期間中30名の学生が各発表会場や受付に立ち、スムーズな運営を支えてくれました。至らぬ点も多々あったかと思いますが、大会後のアンケートでは多くの温かいお言葉を頂戴し、特に学生スタッフの働きぶりに対して多くのご称賛をいただけたことを、大変嬉しく感じております。大会期間中も、参加者の皆様からいただいた励ましや笑顔の数々が、運営に携わった一同にとって大きな支えとなりました。

最後に、本大会の運営にあたり、さまざまな面でご支援くださった学会理事会および事務局の皆様に心より御礼申し上げます。特に、事務局の正木様とヘルプデスクの佐藤様には、夜遅くまでメールのやりとりにご対応いただくなど多大なご尽力をいただきました。この場を借りて、あらためて感謝申し上げます。本大会を通じて、新たな対話の場が生まれたことを、運営一同、心より嬉しく思っております。中京大学での次回大会がさらに実りあるものとなることを願いつつ、また皆様とお目にかかれる日を楽しみにしております。