倫理綱領

異文化間教育学会倫理綱領

 異文化間教育学会は、多様な文化接触によって生じるさまざまな教育の問題を学問対象として取り上げ、その研究を促進して社会貢献することが期待されている。したがって、本学会の会員(以下、会員)は、この期待に応えて、広く社会情勢の変化に目を向け、自らの行為に責任をもって、専門的能力を研鑽しなければならない。また、異文化間教育学会には、基本的人権を尊重し、学会としての社会的責任を履行して、会員による研究の妥当性と公正性を高めることが求められている。これらの実施にあたって、以下の倫理綱領を制定する。
 本綱領は、会員が心がけるべき倫理綱領であり、会員には自覚と責任をもって異文化間教育の研究・教育・実践活動において、その対象者の健全な発達援助と教育研究の発展に寄与することが求められる。
 本学会は、上記の主旨に基づき、以下を定める。

1.基本的人権の尊重

 会員は、すべての人間の基本的人権と尊厳を尊重し、研究の対象者、及び活動に関わるすべての組織・集団と個人の権利を侵害しないよう努力しなければならない。

2.研究の実施にともなう責任

 会員は、研究の実施にあたって、異文化間教育の発展に寄与しようとする積極的な意思をもたなければならない。研究の対象に対して常に敬意を払い、事実の公平・公正な解釈と事実に基づく証明に努めなければならない。また、研究成果に責任をもたなければならない。 公的研究費(研究機関や学会から支給される研究費や科学研究費助成金事業による研究費など)の使用に関しても、適切に管理し不正防止に努めなければならない。

3.成果の公表にともなう責任

 会員は、研究成果の公表に際しては、以下の点に留意し、所属する研究機関等の倫理規定を遵守しながら、研究者としての社会的責任を自覚して行わなければならない。

  • 研究対象者等のプライバシー、及び社会的規範を侵す行為をしてはならない。
  • 研究成果の剽窃・盗用、データの改ざん・捏造、著作権の侵害をするような行為をしてはならない。
  • 二重投稿をしてはならない。
  • 共同研究の場合には、共同研究者の同意を得るとともに、その権利と責任に十分配慮しなければならない。

4.情報提供者・研究対象者への説明責任・人権尊重

 会員は、情報提供者・研究対象者について、研究の目的・方法、及びその成果の公表に関して説明責任を負うとともに、情報提供者・研究対象者の人権を尊重し、個人情報などの秘密保持に配慮して、名誉を傷つけること、及び身体的苦痛や心理的苦痛を与えることがあってはならない。

5.秘密保持・情報管理

 会員は、研究・教育等の活動にともなって得られた情報を厳重かつ適正に管理し、社会的規範の範囲をこえて、こうした情報等を目的以外に使用してはならない。あわせて、プライバシーに関わる情報については、関連する法規範を遵守しなければならない。