異文化間教育学会の趣旨

 異文化間教育学会は、1981年1月に下記のような趣旨の下に、関係分野の研究の促進のために有志によって設立された学会です。

 本学会の趣旨は、異質な文化の接触によって生ずるさまざまな教育の問題を学問対象として取り上げ、その研究を促進しようとするところにあります。異文化間の接触によって生じる問題の研究は、必ずしも新しいことではありませんが、近年、各分野での国際化が進むにつれて、それに伴って生じるさまざまな問題を、「異文化接触」「文化摩擦」「異文化間研究」といった概念と方法の下に、学問的に取り上げようとする傾向がみられます。教育に関する分野でも、従来これを比較教育学や比較教育史研究として、また心理学、社会学、文化人類学、言語学、国際関係論、文学などでは、クロス・カルチュラルな研究として行われてきました。本学会は、これらの分野やその他の、特に海外・帰国子女教育や国際教育をはじめとするさまざまな教育分野における、この問題の研究に関心を寄せる人びとの学際的な研究ネットワークとして、関連する諸問題の学問的研究を促進するとともに、実践分野に貢献することを意図して設立されました。

 本学会においては、例えば、海外・帰国子女教育、外国語教育、外国人への日本語教育、在日外国人子弟教育、教育・研究の国際交流(教師、学者、学生の派遺や留学)、海外移住者の教育、国際理解教育、異文化間教育担当者の教育訓練の制度・方法、諸外国における多文化・多言語教育、異文化適応、異文化間教授=学習過程、二言語教育(バイリンガル教育)、アイデンティティ、異文化間コミュニケーション等、諸問題に関する論理的・実践的な研究が進められています。