2015年度特定課題 公開研究会

異文化間教育学会第36回大会の特定課題公開研究会を、次の通り開催いたします。皆様、ふるってご参加ください

公開研究会

特定課題研究テーマ 「異文化間教育学における実践 ・現場への接近法―現場へのまなざしを研究行動へ展開する」

日時

2015年2月21日(土)13:00-16:30

場所

京都教育大学  F棟F12講義室
〒612-8522 京都市伏見区深草藤森町1番地
アクセス http://www.kyokyo-u.ac.jp/access/access01/

概要

2015年6月に開催される第36回大会において、研究委員会では「異文化間教育学における実践・現場への接近法―現場へのまなざしを研究行動へ展開する」と題して、特定課題研究(パネルディスカッション)を行います。第35回大会特定課題研究「実践をまなざし、現場を動かす異文化間教育学とは」の議論をさらに深めたいと考えています。今回は、研究という営為を「その新たなまなざしの行動への展開」ととらえ、研究の接近法に視点を転じます。どのようなデータから、どのように研究知見を析出し、その成果をどのように表現することによって、異文化間教育研究の実践への新たなまなざしを研究という営みの中に編み込めるのか。そして、その成果を、誰に向けてどのように伝えることで、現場を動かし、その成長と変革に寄与できるのかを検討します。そのために、文化的多様性の実践・現場で多角的で複層的なまなざしをもって研究を試みている研究者に登壇いただき、自身の研究について語っていただきます。その研究のプロセスを共有した上で、異文化間教育学の接近法について議論します。 大会に先立ち、下の日程で公開研究会を開催いたします。3名の研究者が、自身の研究に関して、実践への接近の仕方や解釈・考察における自分の立ち位置について語ります。この3名の内省をもとに、大会当日の議論の前段階として、文化的多様性をもつ社会的文脈である現場とそこで営まれている実践に対し、異文化間教育研究は多様なまなざしをもってどのように接近し、そこから学問的知見をいかに生成することができるのかを議論します。

プログラム

  1. 開会と趣旨説明 13:00-13:20
  2. 発題 13:20-14:50
    岸磨貴子氏(明治大学、教育工学)  実践のデザイナーとして
    内田千春氏(共栄大学、多文化保育) 実践のアドバイザーとして
    南浦涼介氏(山口大学、社会科教育) 実践の当事者として
  3. 全体討議 15:00-16:00 
    コメンテータ 野津隆志氏(兵庫県立大学、ネットワーク論)
  4. まとめ 16:20-16:25
  5. 閉会 16:30

参加申込

e-mailで東京学芸大学齋藤ひろみ
(shiromi[at]u-gakugei.ac.jp)([at]を@に変更してください。)までお申し込みください。
メールタイトルを「公開研究会参加申込」としてください

異文化間教育学会
2015年度公開研究会の報告

日時・場所

2015年2月21日(土)13:00-16:30 京都教育大学(藤森学舎 F棟 F12教室)

参加者

15名

内容

趣旨説明 齋藤ひろみ
発題「実践・現場への接近法」

岸磨貴子氏(明治大学) 実践・研究のデザイナーとして
内田千春氏(共栄大学) フィールドワーカーとして
南浦涼介氏(山口大学) 実践のアドバイザーとして

全体討議
まとめ コメンテータ 野津隆志氏(兵庫県立大学)

議論した内容

  • 「実践者」とは誰をさすのか。
    異文化間教育学における実践者は、異文化間教育実践に関わる人で包括的に指す広い意味であり、3人の発題者は研究と実践を兼ね備えたアイデンティティをもっている。ここに研究と実践の新しい形があるのだろう。
  • 接近法と発信法の二つの軸から異文化間教育学の位置取りを考えてはどうか。
    接近法の「介入のない観察・観察と実践・実践」という軸と、発信法の「研究論文・現場への発信・社会一般への提言」という軸でみると、実践をまなざす異文化間教育学の立場はどこに位置するだろうか。これまで、異文化間教育学では、接近法には多様性が見られたが、発信法としては「研究論文」による評価以外なかったのではないか。
  • 「理論と実践」のパラダイムシフトに関わる議論は他の学問領域でも行われているが、異文化間教育学の場合は何がどう違うのか。
    歴史的には、異文化間教育学成立の根拠は対象の独自性だったが、対象が拡散している今、対象以外にユニークさを求める必要がある。「多元性・相互性・相対性・対等性・創造性」といった本学問に通底する姿勢が、文化的多様性の実践が営まれる現場での参入・参画のあり方にどのように具現化されるのか、その営みを通してどのように知見を生成するのかといったプロセスに、本学問の実践性に関する議論の独自性を見いだせるのではないか。

企画:異文化間教育学会研究委員会(◎:委員長 ○:副委員長)
◎齋藤ひろみ(東京学芸大学) ○佐藤郡衛(目白大学) ○野山 広(国立国語研究所)
浜田麻里(京都教育大学)  見世千賀子(東京学芸大学)  南浦涼介(山口大学)